LED照明に調光や人感センサーを組み合わせるときは、「どの場所で、人がどう過ごすか」から制御方式を決めるのが基本です。人の出入りが短いトイレや更衣室は人感センサーによる点滅、見通しのよい廊下は不在時に明るさを落とす段調光、座って作業する執務室は明るさセンサーや在席を見分ける方式、というように場所ごとに向き不向きがあります。そのうえで、調光器と器具の組み合わせと配線の方式を先に確かめておくと、工事のやり直しを防ぎやすくなります。
この記事では、法人施設の担当者さま向けに、制御方式の種類と場所ごとの選び方、導入前に確認したい点を整理します。蛍光灯からLEDへの切り替えそのものや補助金については、別の記事とサービスページで扱っています。
LED照明の制御方式は大きく3つ
法人施設で使われる照明の制御は、おおむね次の3つに分けられます。
▶ 人感センサー(点滅・段調光)
人の動きを検知して点灯し、いなくなると消灯、または明るさを落とします。
▶ 明るさセンサー
机や床の明るさを測り、窓からの外光に合わせて照明の出力を自動で調整します。器具を新しくした直後の「明るすぎる分」を抑える使い方もあります。
▶ 調光・スケジュール制御
壁の調光器や制御盤で明るさを変えたり、時刻に合わせて点灯・減光したりします。
場所別に見る制御方式の選び方
トイレ・更衣室など、滞在が短い場所
人の滞在が短く、使わない時間が長い場所は、人感センサーで点灯・消灯する方式が合います。照明メーカーも、化粧室やロッカー室を点滅タイプの用途として挙げています。ただし、個室に長くとどまる人がいる場合や、病院・介護施設のように暗くなると転倒などの危険がある場所では、点灯を保つ時間を調整できる製品で消えるまでの時間を長めにする、完全には消さない段調光にするなど、使う人に合わせて設定を検討します。
廊下・共用部など消灯したくない場所
人がいないときも最低限の明るさを残したい廊下や共用部は、完全に消すのではなく、不在時に明るさを落とす段調光が向いています。照明メーカーは、見通しがよく人の移動が少ない廊下を段調光タイプの用途として挙げています。
執務室・会議室など、座って過ごす場所
ここは一般的な人感センサー(熱線式)が苦手とする場所です。熱線式は人の「動き」と周囲との「温度差」で検知するため、じっと座っている人は検知しにくいとメーカーが説明しています。会議中に照明が消える、といった不満につながりやすいので、明るさセンサーによる調光や、在席を見分けられる方式を検討します。
人感センサーが検知しにくい条件
熱線式の人感センサーは、次のような条件で検知しにくくなるとメーカーが案内しています。設置場所を決めるときの確認項目になります。
- 人がほとんど動かない(座り作業・会議)
- 夏場など、室温が高く人との温度差が小さい
- ガラスやアクリル越し(赤外線がほとんど通らない)
- 書棚やパーテーションなどの遮蔽物がある
- 取り付け位置が高い
反対に、プリンターや空調などの熱源に反応して、人がいないのに点灯する場合もあります。レイアウトや什器の配置も合わせて確認しておくと安心です。
調光を入れる前に確認したい3つのこと
1. 器具が調光に対応しているか
調光に対応していないLED電球や器具を、調光器の回路で使うことはできません。メーカーは調光器非対応のLED電球について、調光器が誤作動して過大な電流が流れ、破損や発煙の原因になるとして、明るさを100%に設定した状態でも使わないよう注意を呼びかけています。既存の調光器を残したまま器具だけ替える場合は、特に確認が必要です。
2. 調光の方式と配線
調光の方式には、既存の電源線のまま調光する「位相制御方式」と、電源線とは別に信号線を使う「信号線(PWM)方式」などがあります。信号線方式は配線の追加が必要になるため、天井内の工事の範囲や費用に関わります。無線で制御する仕組みもあり、どれを選ぶかで工事の中身が変わります。テナントとして入居している区画では、照明やスイッチ・配線の変更に貸主やビル管理会社の承諾が必要になる場合があり、退去時の原状回復の範囲にも関わるため、工事の前に賃貸借契約や管理規約を確認しておきます。
3. 調光器と器具の組み合わせ
方式が同じでも、調光器と器具の組み合わせが合っていないと、ちらつきや動作不良、器具の短寿命につながるとメーカーは説明しています。メーカーが異なる製品の組み合わせは仕様外とされる場合もあるため、適合表で確認してから器具を選びます。
誘導灯・非常用照明は別に考えます。避難口誘導灯と通路誘導灯(階段・傾斜路に設けるものを除く)は、原則として常時点灯しておくことが消防法施行規則で定められており、消灯できるのは法令の条件を満たす場合に限られます。一般の照明と同じ感覚でセンサーや調光の対象に含めず、分けて計画するのが安全です。非常用照明も建築基準法にもとづく設備のため、同じように一般の照明とは分けて考えます。
導入後に見直したいこと
明るさセンサーは、外光の入り方やレイアウトが変わると、机の上の明るさが設定したときとずれることがあります。メーカーも、最終的な使用環境で明るさを設定し、変化があれば再設定するよう案内しています。席替えや什器の入れ替えのあとは、見え方を一度確かめておくとよいでしょう。
なお、センサーで頻繁に点灯・消灯する場所では、メーカーが人感センサーとの組み合わせを想定している器具か、組み合わせるセンサーが適合しているかを仕様で確認しておきます。
まとめ:制御方式は器具選びと同時に決める
LEDの調光や人感センサーは、場所ごとの使われ方に合わせて選ぶことで、不便を抑えながら取り入れやすくなります。一方で、調光への対応、配線の方式、調光器との組み合わせは器具を選ぶ段階で決まるため、LED化の計画と同時に制御方式も決めておくと手戻りを防ぎやすくなります。
株式会社スマイルパートナーは、照明のLED化を含む電気工事を、法人のお客さまから現場ごとの請負や応援対応で全国対応しています。LED化の方法や費用の考え方は蛍光灯からLED照明への切替工事のページで、共用部のLED化と補助金の進め方は中小ビル共用部のLED化と省エネ補助金の記事でご紹介しています。
